日本映画が受賞すると大きなニュースとなる「世界3大映画祭」。具体的にはどのような映画祭なのでしょうか。3つの映画祭の特徴とはどんなものなのでしょうか。
先ずは「カンヌ国際映画祭」。この映画祭はフランス南部のカンヌという町で開かれている映画祭です。1946年開始という長い歴史をもち、映画のマーケットの場としても有名です。そのため世界各国から映画関係者、バイヤーなどが集まる巨大な映画祭です。
最高賞は「パルムドール」と言われ、有名監督などで構成される審査員の嗜好が最も表れる賞となっています。日本作品としては1997年に今村昌平監督の「うなぎ」、1980年に黒沢明監督の「影武者」が受賞しています。
次は「ベネチア国際映画祭」。こちらは1932年開始で、3大映画祭の中では最も歴史ある映画祭です。イタリアのベネチアという都市で開催されます。元々は国際美術展の映画部門として設立された経緯があり、芸術性の高い作品がノミネートやプログラムされる傾向もあります。マーケットもありますが歴史は浅いです。
最高賞は「金獅子賞」と言われ、金の獅子を模したトロフィーが贈られます。この最高賞で日本でもっとも有名なのは北野武監督の「HANA−BI」です。これを機に北野監督は「世界のキタノ」と言われるようになりました。
最後は「ベルリン国際映画祭」。1951年開始で、ドイツのベルリンで開催されています。ベルリンという大都市で行われているため、入場者数が三大映画祭の中では最も多いです。しかし、娯楽性の高い映画は少なく、社会問題に切り込んだ作品が多いのが特徴です。
最高賞は「金熊賞」で、宮崎駿監督が「千と千尋の神隠し」で受賞しています。過去の受賞作を見ると、一般に知られているような作品は少なく、3大映画祭の中ではかなり異彩を放っています。2011年と2015年にはイラン映画が受賞し、この国の内情が知られるきっかけともなりました。
それぞれ特徴がある3大映画祭。一度は生で見てみたいものですね。